登場人物・キャスト　ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オスカー・シェル(トーマス・ホーン)

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Extremely Loud and Incredibly Close - Oskar Meets Abby Black

オスカー・シェルは、父トーマスを同時多発テロで失った少年である、映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」の登場人物。知的好奇心が旺盛で非常に賢い一方で、アスペルガー症候群のテストでは「疑いあり」と診断されている。父と仲がよく、父が「調査探検」と名づけた課題をクリアするのを楽しみにしていた。一方、母とは、不仲ではなかったが父ほど親密ではなかった。その父が2001年の同時多発テロで亡くなってしまう。

父の死を受け入れられず、遺体の入っていない棺おけを使った葬式に反発をする。父との絆をつなぎとめたいと考え、押入れに父との思い出の品などを隠し、こっそりと眺めたりしている。また、テロの日に父が残した留守番電話のメッセージを自分以外の誰にも聞かせないようにするため、電話機を交換する。現実に押しつぶられそうになり、耐えるために自分で自分の体をつねった痕が無数にある。その裏には、テロの当日に死を目前に控えた父からかかってきた電話に、恐怖で出ることができなかったというトラウマなどがある。

父のクローゼットに置かれた花びんの中に隠されていた鍵を見つける。鍵は「Black」と書かれた封筒に入れられており、父からのメッセージと考える。「Black」を人名と考え、電話帳でニューヨークに住むブラックの名字の人物をリストアップし、片っ端から訪ね歩くるものの、父を知っている人には会えない。一方、母のことを愛しているものの関係は悪化し、「パパじゃなくて、ママなら良かったのに」と言ってしまう。

祖母のアパートの間借り人で、言葉を発することができない高齢の男性と知り合う。間借り人もブラック探しを手伝ってくれるようになり、親しくなっていく。父と同じ肩をすくめるしぐさや、祖母が間借り人について多く語らないことから、自分の祖父であると確信する。間借り人に父が残した留守番電話のメッセージを聞かせるものの、最後のメッセージを聞かせることができない。メッセージを聞いて苦しむ間借り人から、これ以上ブラックの調査をやめるように言われる。

父が残した新聞の切り抜きを眺めている時に、遺品セールの記事にマークがつけられていることに気づく。書かれている番号に電話をし、ウィリアム・ブラックの鍵であることがわかる。父と鍵は無関係だったことがわかり、怒りと悲しみから家で暴れるところを母に止められる。ブラックについてオスカーが調べていることを知った母が、オスカーが訪問することを事前に説明をしていたことを知る。父との思い出について母と話し、和解する。

ブラック探しで訪問したニューヨークの人々に手紙を書き、鍵の持ち主が見つかったことや、「何も得られないよりも失望を得られてよかった」という気持ちを伝える。また、姿を消した祖父に戻ってくるように手紙を書く。以前に父が好きだと言っていたブランコに残されていた、「第6回調査探検をやりとげた。おめでとう」と書かれた父の書いたメモを見つける。そして、これまで壊れる恐怖から乗れなかったブランコに乗り、大きくこぐ姿を見せる。

・調査探検で人と会うときのために、父が名刺を作ってくれる。名刺には「オスカー・シェル　アマチュア昆虫学者、親仏家、アマチュア考古学者、平和主義者、発明家」と書かれている。父は「アマチュア」は褒め言葉と説明する。

・苦手なものがたくさんある。公共交通機関、エレベーター、マンホールのふた、年取った人、走っている人、飛行機、高いビル、閉じ込められる場所、大きな音、悲鳴、泣き声、歯並びが悪い人、置き去りのカバンや靴、親といない子供、鳴っているもの、煙っているもの、肉を食べる人、見上げる人、塔、トンネル、疾走するもの、トンネル、点灯するもの、翼があるもの、疾走するもの、うるさいもの、橋などである。

・ブラック探しの際には、リュックに多くのものを入れる（本人は最小限の荷物と語る）。中には、ガスマスク、タンバリン、双眼鏡、ノート、カメラ（祖父が使っていたもの）、ホーキングの本（父がよく読んでくれた）、携帯電話、いちじくのお菓子（好物）などが入っている。また、心を落ち着かせるための道具としてタンバリンを持ち歩き、耳の横で鳴らして気持ちを落ち着かせる姿を見せる。

キャスト

オスカー・シェルを演じているのは、アメリカの俳優であるトーマス・ホーン。当時14歳頃。これまでに演技経験はなかった。テレビのクイズ番組で優勝したホーンにプロデューサーのスコット・ルーディンが目をつけ、オーディションへの参加を勧め、出演に至った。

オスカー（ナレーション）「今生きている人の数は、これまでの人類の歴史で死んでいった人の数より多い」

0:01:25頃「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」の最初のセリフ。父・・・を同時多発テロで失った少年オスカーのモノローグ。オスカーが生と死について考えていることがわかる。このあとオスカーは、亡くなった父に近づこうと努力をする。・・・

セリフ・名言 4 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オスカー（ナレーション）「パパが死んでから1年がたった。パパとの8分間が消えていくのを感じる」

0:11:55頃オスカーは、押入れに置かれたチョウチョの標本の裏に、父の写真や・・・遺品などを隠していた。それらの遺品を眺めながらのオスカーのモノローグ。オスカーは父が遠くなっていくのをさみしく感じており、再び父を近くに感じたいと考えていた。・・・

セリフ・名言 5 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オスカー（ナレーション）「誰に止められてもやりぬくと心に決めていた。止めるのが自分自身であっても」

0:22:50頃父のクローゼットに置かれていた青い花びんの中から、封筒に入った・・・鍵を見つけたオスカー。封筒には「Black」と書かれていた。「Black」を人名だと考えたオスカーは、父に近づくために鍵の持ち主を探すことにする。その時の気持ちを語る。・・・

セリフ・名言 6 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オスカー「よく言われると思うけど、もし辞書で“信じられないくらい美しい”という項目を引いたら、あなたの写真が載ってるでしょうね」

0:27:35頃鍵の持ち主を探してブラックという人物を訪ねることにしたオスカー・・・。最初の訪問先であるアビー・ブラックは、突然現れたオスカーに戸惑う。そんなアビーに、オスカーは達者なお世辞を述べる。夫と離婚することになり、精神的に不安定なアビーだったが、オスカーを家に入れる。・・・

セリフ・名言 7 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オスカー「どうして中に入りたいの？」　リンダ「あなたに“愛してる”と言うためよ」

0:32:45頃父トーマスの死後、オスカーと母親のリンダとの関係はうまくいって・・・いなかった。オスカーもリンダも互いを愛していたが、トーマスを亡くしたショックから抜け出せていなかったのだった。バス・ルームに鍵をかけてこもったオスカーと、心配するリンダのやりとり。・・・

セリフ・名言 8 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オスカー（ナレーション）「僕はただ、鍵穴を見つけたかっただけ。父さんに近づけず、失っていくのを感じた」

0:44:05頃父が残した鍵の持ち主を探してブラックという姓の人物を訪ね歩くオ・・・スカー。オスカーは、予想よりも時間がかかってしまい、あせりを感じていた。訪問先の人々との時間が長くなるのには理由があった。その理由は後で明らかになる。・・・

セリフ・名言 9 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オスカー「一緒にいる時間の半分は、ママは寝てる。もう半分の時間は、寝てたことを忘れてる。法律用語での“不在”。親はいない」

0:46:35頃距離ができていたオスカーと母のリンダ。オスカーが父の死にショッ・・・クを受けていたように、リンダも夫を失ったショックから立ち直れていなかった。リンダはオスカーと何とか会話をしようとする。だが、オスカーはリンダに冷たくしてしまう。・・・

セリフ・名言 11 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オスカー「あのビルにいたのが、パパじゃなくてママなら良かったのに」

0:49:30頃空っぽの棺おけで葬式が行われたことについて口論となるオスカーと・・・母のリンダ。感情がたかぶったオスカーは、リンダにひどいことを言ってしまう。だが、リンダはオスカーの言葉を受け入れる。リンダは、オスカーが父親のことを心から愛していたことを知っている。・・・

セリフ・名言 13 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オスカー（ナレーション）「ときどき、自分がとても悪いことをしてしまうんじゃないかって怖くなる」

1:00:15頃父の残した鍵の持ち主を探して、ブラックという名前の人物を訪ね歩・・・くオスカー。だが、鍵の持ち主には出会えなかった。オスカーは、父親がどんどん遠くなっていく恐怖を感じていた。そんな恐怖に耐えるために、オスカーは自分の体を強くつねっていた。オスカーの体はつねってできた傷だらけだった。・・・

セリフ・名言 16 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い