桐島の退部

金曜日。ある高校のバレーボール部キャプテンの桐島が退部する。そのことをまだ知らない生徒たち。授業が終わり、バレー部の久保と風助は部活に向かう。宏樹、竜汰、友弘の3人は、バスケをしながら部活の終わる桐島を待つために、いつも通り校舎裏に向かう。宏樹は野球部に所属していたが、顔を出していなかった。

映画部の前田

バドミントンのかすみと実果は、桐島の彼女で帰宅部の梨沙と宏樹の彼女で帰宅部の沙奈と話をしてから部活に向かう。姉やかすみに比べて実力のないことを認識している実果は、同じような境遇の風助が気になっている。映画部の前田と武文は、顧問が脚本を書いた作品「君よ拭け、僕の熱い涙を」の続編を作るように言われ、不満を持つ。そんな前田は、かすみに恋をしている。

広がる桐島の話

ひそかに宏樹に恋をしている吹奏楽部の亜矢は、屋上でサックスの練習をしながら、バスケをする弘樹たちを見ている。梨沙はベンチでいつもどおり桐島を待ち、沙奈はバスケをしている宏樹の元に向かう。友弘から桐島が部活をやめたことを聞いた宏樹は、親友なのに何も聞かされていなかったことにショックを受ける。そこにやって来た沙奈は、桐島のことを聞いて梨沙に伝えに行く。

屋上をめぐる攻防

前田が提出していた脚本「生徒会・オブ・ザ・デッド」は、顧問の先生からダメ出しされる。映画部の部室で、部員たちに「生徒会・オブ・ザ・デッド」を撮影しようと呼びかける前田。部員たちも乗り気になり、撮影のために校舎の屋上に向かう。校舎の屋上では、サックスの練習をしている亜矢がいる。別の場所に移動してもらうように頼む前田だったが、亜矢に拒否される。押し問答になるが、吹奏楽部の後輩の詩織が亜矢を呼びに来たために、亜矢は屋上から立ち去る。

映画館

夜。塾を終えた宏樹がバスに乗ると、梨沙が追ってくる。梨沙に桐島について聞かれるが、宏樹にも分からなかった。土曜日。桐島のいないバレー部は試合で負ける。日曜日。映画館で「鉄男」を見た前田は、かすみも見ていたことに気づく。中学生の時に映画の話をたまにしていた2人は、映画館の外のベンチで少し話をする。前田は喜ぶ。

月曜日

月曜日。桐島は学校に来ない。バレー部の久保は、桐島の彼女の梨沙につっかかる。がんばっていた風助が試合に出ても負けてしまうことにむなしさを感じている実果は、「かすみにもこの気持ちはわからない」と、部活に出ずに家に帰る。かすみから「映画ができたら見せて」と言われて喜んでいる前田は、映画部員たちとゾンビ映画の撮影を行う。

撮影続行

火曜日。桐島が学校に来るというウワサが流れる、梨沙や風助が探すが見当たらない。ゾンビ映画の撮影を知った顧問から撮影中止を言い渡された前田だったが、武文に励まされて撮影を続行することに決める。だが、脚本を取りに教室に行った時に、かすみと竜汰が2人きりでいるところを目撃し、2人が付き合っていることを知って落ち込む。

科学棟の裏

科学棟の裏で撮影する映画部員たち。だが、宏樹と沙奈が待ち合わせをすることを知った亜矢がやって来て、サックスの練習を始める。他の場所に行くように頼む前田だったが、「今日で最後だから・・・」と真剣な表情を浮かべる亜矢の姿を見て、先に屋上で撮影することに決める。姿を見せた沙奈は、亜矢が近くにいることに気づき、見せつけるように宏樹とキスをする。バスケをしていた友弘は、屋上に桐島らしき生徒がいることに気づき、屋上に向かう。桐島の情報はバレー部員や宏樹たちにも伝わり、みんな屋上に向かう。

屋上

部室に戻った亜矢は、合奏に参加して吹っ切れった表情を見せる。一方、屋上では映画部が撮影しているところに、バレー部員たちが現れる。桐島の姿が見えないことにいら立ったバレー部の久保は、小道具の隕石を蹴る。謝るように言う前田の胸ぐらをつかむ久保を、風助は止めようとする。そんな様子を見て楽しんでいる沙奈を、かすみが思わずビンタしてしまう。前田は、ドキュメントタッチで撮影することにし、映画部員たちに生徒たちを襲わせる。

映画を撮る理由

落ち着いたあと、映画部員以外の生徒たちは屋上をあとにする。カメラの部品を拾った宏樹が戻ってきて前田に渡す。宏樹は前田に映画を撮影する理由を聞く。映画を撮る楽しさを語る前田。前田からカメラを向けられた宏樹は、涙ぐみながら「オレはいいよ・・・」と語り、屋上から去っていく。宏樹は携帯を取り出し、野球部の練習をながめながら、桐島に電話をかける。

人物 1 桐島、部活やめるってよ

前田 涼也

俳優:神木 隆之介 前田涼也は、映画部に所属する高校2年生である、映画「桐島、部活やめるってよ」の登・・・場人物。クラスでは地味な存在で、運動音痴。映画が好きで、同じ映画部の武文と仲がいい。ゾンビ映画で知られる映画監督ジョージ・A・ロメロが好き。8ミリフィルムの質感にこだわりを持っている。中学生の時にたまに映画の話をした東原かすみに恋心を抱いて・・・
人物 2 桐島、部活やめるってよ

東原 かすみ

俳優:橋本 愛 東原かすみは、バドミントン部に所属する高校2年生である、映画「桐島、部活やめるっ・・・てよ」の登場人物。梨沙、沙奈、実果とグループとなっている。同じバドミントン部の実果と最も親しい。バドミントンの実力があり、実果からうらやましがられている。 女子間の人間関係に気を使っている。そのため、クラスメイトの寺島竜汰とつき合っている・・・
人物 3 桐島、部活やめるってよ

菊池 宏樹

俳優:東出 昌大 菊池宏樹は、野球部に所属する高校2年生である、映画「桐島、部活やめるってよ」の登・・・場人物。桐島の親友で、寺島竜汰や友弘とも仲がいい。野球部に所属しているが顔を出しておらず、毎日同じ塾に行く桐島が部活を終えるまでの時間を、竜汰や友弘と校舎裏でバスケをしてつぶしている。身長が高いうえに運動神経がよく、バスケもうまい。野球部の・・・
セリフ・名言 1 桐島、部活やめるってよ

沙奈「変なとこでつるむよね、男って」

0:07:55 宏樹、竜汰、友弘の男子生徒3人は、校舎裏でバスケをしながら、バレ・・・ー部の桐島の部活が終わるのを待つのが日課だった。そんな男子グループについて、梨沙、沙奈、かすみ、実果の女子グループが集まって話をしている。・・・
セリフ・名言 2 桐島、部活やめるってよ

実果「あそこであの人たちにマジな話してもね」

0:11:05頃 梨沙、沙奈、かすみ、実果は4人グループだったが、バドミントン部・・・に所属するかすみ&実果と、帰宅部の梨沙&沙奈には温度差があった。「部活なんてよくやれるね」と沙奈に聞かれた実果は、「内申書目的」と返事をしていたのだった。・・・
セリフ・名言 3 桐島、部活やめるってよ

竜汰「おまえは外人かよ」

0:17:30頃 野球部に所属している宏樹だったが、部活には顔を出していなかった・・・。キャプテンと顔を合わせた宏樹は、週末の試合に出るように誘われる。キャプテンが練習に向かったあとの、宏樹と竜汰の会話。宏樹は、特別扱いされるほど身長が高くて運動神経がよかった。・・・
音楽 1 桐島、部活やめるってよ

陽はまた昇る

主題歌として高橋優の「陽はまた昇る」がエンドロールで使われている。前田を演じた神・・・木隆之介が、高橋優出演のPV撮影が行われているスタジオにピザを配達に訪れ、8ミリカメラで高橋を撮影するPVが作られた。・・・
音楽 2 桐島、部活やめるってよ

愛の挨拶

「愛の挨拶」は、イギリスの作曲家であるエドワード・エルガーが1888年に作曲した・・・曲。「桐島、部活やめるってよ」では、屋上で亜矢のサックスと詩織のフルートで演奏する(0:59:05頃)。・・・
音楽 3 桐島、部活やめるってよ

エルザ大聖堂への行列(ローエングリン)

「エルザ大聖堂への行列」は、ドイツの作曲家であるリヒャルト・ワーグナーによる、1・・・850年初演のオペラ「ローエングリン」の曲。「桐島、部活やめるってよ」では、吹奏楽部によって演奏され、宏樹と沙奈のキスを目撃した亜矢が吹っ切れた表情を浮かべる(1:20:20頃)。一方、バレー部をはじめとした生徒たちが屋上に探しに向かい、映・・・
キーワード 1 桐島、部活やめるってよ

評価、興行、原作

「桐島、部活やめるってよ」は高く評価され、日本アカデミー賞では作品賞、最優秀監督・・・賞、最優秀編集賞を受賞した。また、優秀脚本賞や話題賞にも選出され、かすみを演じた橋本愛と宏樹を演じた東出昌大は新人俳優賞に選ばれた。 興行的には、公開時はヒットとは言えなかったものの、口コミで評判が広がり、8カ月のロングラン上映となった。・・・
キーワード 2 桐島、部活やめるってよ

バレーボール部

桐島が所属していたのはバレーボール部である。桐島のポジションはリベロで、県選抜に・・・選ばれるほどの実力を持っており、チームも強かった。だが、桐島が理由を告げずに退部したことにより動揺が走る。マネージャーは顧問の前で泣き出し、「実はバレーボール部員は桐島が苦手だった」というウワサが流れたりする。 桐島のサブだった風助が次の・・・
キーワード 3 桐島、部活やめるってよ

野球部

宏樹は野球部に所属しており、今でも野球用のバッグを登校に使用しているが、部活には・・・出ていない。何度かキャプテンと遭遇し、試合に出るように頼まれるものの、宏樹はごまかす。 キャプテンは3年で、通常であれば引退しているはずだが、毎日練習に参加し、夜はランニングや素振りの自主練習も行っている。宏樹から理由を聞かれたキャプテン・・・
作品一覧