父の死

鎌倉に住む、香田幸、佳乃、千佳の三姉妹。15年前に家を出た父が3人目の妻と暮らしていた山形で亡くなったという連絡を受ける。また、2人目の妻との間に生まれた妹がいることを知る。佳乃と千佳が葬式に出席するために山形にやって来る。妹のすずが2人を迎える。遅れて幸もやって来る。父の妻ではなくすずが入院中の父の世話をしたと、幸は感じ取る。

妹への感謝

斎場から駅に向かう幸たちを、父の持っていた写真を渡すためにすずが追いかけてくる。幸から「一番好きな場所に連れて言って欲しい」と言われたすずは、父と一緒に訪れたという高台に案内する。高台からの景色は、どこか鎌倉に似ている。父の世話をしてくれたすずに、幸たちは感謝を述べる。駅での別れ際に、幸はすずに「一緒に暮らそう」と持ちかける。すずは「行きます」と即答し、血のつながりのない義母と暮らすよりも、姉たちと暮らすことを選ぶ。

すずが鎌倉へ

すずが鎌倉の家に引っ越してくる。幸たちの大叔母の史代は、すずのことを父が家族を捨てるきっかけとなった女性の子であることを指摘するが、幸は気にしない。サッカーチーム「オクトパス」に入団したすずは、仲間と打ち解けていく。「海猫食堂」のさち子もすずを気に入る。一方、つき合っている若い彼氏を甘やかす佳乃を幸がたしなめ、佳乃とケンカになる。

鎌倉での生活

鎌倉の家では自家製の梅酒を作っていることを聞くすず。遅刻しそうになった朝、佳乃とすずは駅まで走って向かう。佳乃はすずに好きな人を作るように勧める。そんな佳乃だったが、金を貢いでいた男が口座を解約して姿を消してしまう。佳乃は酒を飲んで荒れる。幸は看護師として働く病院で、さち子の姿を目撃する。さち子はすずのことを「元気で明るい子」と褒める。

すずの鬱憤

幸は新しくできるターミナルケア病棟への異動を打診される。交際中の小児科医・椎名の家を訪ねた幸は、慎重に考えた方がいいとアドバイスされる。椎名には精神を病んで入院中の妻がおり、2人は不倫の関係だった。サッカーの試合で活躍したすずは、勝利のお祝いに千佳や佳乃に進められて梅酒を飲んで酔っ払う。そして、義母の陽子や父への悪口を叫ぶ。すずが心の中に鬱憤を溜め込んでいたことを姉妹は知る。

さち子の隠し事

すずは、クラスメイトで同じサッカーチームの風太とつきあっているとうわさを流される。信用金庫の営業に異動になった佳乃は、課長と「海猫食堂」のさち子を訪ねる。そしてさち子から、行方知れずだった弟から遺産の相続分を要求されていることを聞き、協力を求められる。店の常連である福田は、さち子が他にも隠し事をしていることを察知する。

桜並木

福田の店でしらすトーストを食べたすずは、父と福田が知り合いだったことに気づく。だがすずは、姉には父のことを話しづらいと風太に話す。そんなすずを見た風太は、自転車の後ろにすずを乗せて桜並木を走り、すずの気を晴らしてやる。祖母の七回忌に幸たちの母の都が来ることになる。14年ぶりに会う母に対して思うところのある幸は、浮かない表情を浮かべる。

七回忌が行われたあと、都は幸たちに家の売却の話をする。怒った幸と都は大ゲンカとなり、大叔母の史代が止める。幸は佳乃から、母親への意地ですずを引き取ったと言われて怒る。その後、幸はすずから、父親を奪った母親について謝られる。「奥さんがいる人を好きなるのはよくない」と話すすずだったが、幸が不倫をしていることは知らない。札幌に帰る前に家に立ち寄った都と、祖母の墓参りに行く幸。幸は都に祖母がかつて作った最後の梅酒を持たせてやる。

カレー

夏になる。祖母の味であるちくわカレーを作った千佳は、カレーを食べながらすずと話をする。すずはしらす丼を食べたことがないのはウソで、父が作ってくれたことを話す。あまり父親を覚えていない千佳は、「お父さんのことを教えてね」とすずに話す。弟から遺産分を要求されていたさち子を助けるために、佳乃が融資プランを持っていく。だが、病気で余命が短いことがわかったさち子は、店を閉めてターミナルケア病棟に入院することを決めていると明かす。

椎名との別れ

幸は、アメリカに小児医療の研究に行くという椎名から、一緒に来てほしいと言われる。そのことで幸と佳乃は言い合いになるものの、最終的に佳乃は「自分たちは大丈夫」と幸の思う通りにするように話す。考えた末、幸は椎名と一緒には行かないことに決める。そのことを椎名に告げた幸は、ターミナルケアに取り組む決意を語る。

花火大会

花火大会の日。幸の浴衣を仕立て直してもらったすずは、浴衣姿で風太たちと船から花火を見に出かける。花火の前には「海猫食堂」に寄り、さち子から「宝物」と言われたすずは謙遜する。帰り道ですずは風太に、「自分はここにいていいのか」と思いを語る。風太はそんなすずを元気づけようとする。家に戻ったすずは、浴衣姿で待っていた姉たちと、庭で花火をする。

海岸

幸とすずは高台から町を見下ろす。そこは幸が父と一緒によく来た場所で、山形で父が好きだった場所と景色が似ていた。「お母さんのバカ!」と叫んで涙ぐむすずに、幸は「ずっとここにいていい」と話す。さち子が亡くなる。葬儀のあと、幸たちは海岸に向かう。すずを残してくれた父のことを「ダメだったけど、優しい人」と語る幸に、佳乃と千佳もうなずく。4人は仲良く海岸を歩いていく。

人物 1 海街diary

香田 幸

俳優:綾瀬 はるか 香田幸は、四人姉妹の長女である、映画「海街diary」の登場人物。妹たちと鎌倉の・・・古い一軒家に住んでいる。両親が離婚して家を出たあと、母方の祖母に育てられた。祖母の死後は長女として妹の面倒を見てきたため、しっかりしている。 母親とはそりが合わず、顔を会わせるとケンカとなる。また、愛人と家を出た父に対しては、両親のケンカ・・・
人物 2 海街diary

香田 佳乃

俳優:長澤 まさみ 香田佳乃は、四姉妹の次女である、映画「海街diary」の登場人物。姉や妹と鎌倉の・・・古い一軒家に住んでいる。両親が離婚して家を出たあと、母方の祖母に育てられた。酒好きで、酒ぐせが悪い。しっかり者の姉とは異なり、チャラチャラしたところがある。信用金庫に勤めている。男性を甘やかしてしまう面があり、幸にたしなめられたりもする。 ・・・
人物 3 海街diary

香田 千佳

俳優:夏帆 香田千佳は、四姉妹の三女である、映画「海街diary」の登場人物。姉たちと鎌倉の・・・古い一軒家に住んでいる。両親が離婚して家を出たあと、母方の祖母に育てられた。幼い頃に父が家を出たために、父との思い出はほとんどない。「趣味が変わってる」と言われている。ご飯をかきこんだり、何でもしょう油をかけたりすることで幸に怒られる姿を見・・・
セリフ・名言 1 海街diary

佳乃「いやー、流れで何となくさあ。あるのよ。大人にはそういうことが」

0:02:45頃 年下の恋人のアパートで一夜を過ごした佳乃が朝帰りをする。連絡も・・・なく外泊した佳乃に幸は怒っていた。佳乃をたしなめる千佳だったが、佳乃は軽く受け流す。佳乃は男を好きになると夢中になるタイプだった。 ・・・
セリフ・名言 2 海街diary

陽子「大丈夫よ、おじさん。私、妻ですから」

0:10:10頃 家を出ていた幸たちの父が山形で亡くなる。葬式に出席した幸たちは・・・、父の3番目の妻である陽子や、腹違いの妹であるすずと会う。すすり泣く陽子は出棺前のあいさつをすずにやらせようとし、幸が止める。幸に自分がやると言われた陽子は、妻としての意地を見せる。 ・・・
セリフ・名言 3 海街diary

幸「優しくて、ダメな人だったのよ」

0:11:05頃 家を出ていた父の葬式に出席するため、山形へやって来た幸、佳乃、・・・千佳の三姉妹。斎場を出たあとの3人の会話。父は、人の借金の保証人になって逃げられ 女性に同情してくっついてしまうタイプの人物だった。 ・・・
音楽 1 海街diary

音楽、サウンドトラック

「海街diary」の音楽を担当しているのは菅野よう子。佳乃を演じた長澤まさみの推・・・薦もあって起用されたという。本作で日本アカデミー賞優秀音楽賞に選ばれた。発売されているサウンドトラック(サントラ)には、以下の曲が収録されている。 1. 夏の表紙 2. 海街diary 3. 河鹿沢行き 4. いもうと 5. すずのテーマ・・・
キーワード 1 海街diary

評価、興行収入

「海街diary」は、日本アカデミー賞の最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀撮影賞・・・、最優秀照明賞を受賞した。また優秀脚本賞、優秀主演女優賞(綾瀬はるか)、優秀助演女優賞(長澤まさみ、夏帆)、新人俳優賞(広瀬すず)、優秀音楽賞、優秀美術賞、優秀録音賞、優秀編集賞にも選ばれた。また、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作・・・
キーワード 2 海街diary

原作、制作

「海街diary」は、吉田秋生によるマンガが原作である。映画化にあたっては登場人・・・物や内容に改変が加えられている。また、撮影の際、すずを演じた広瀬すずは、あえて台本を読まないでその場で演技を決めていく手法で演出された。 ・・・
キーワード 3 海街diary

父、母、不倫

幸、佳乃、千佳は母親の都と父親の間に生まれた娘である。父親は女性を作って家を出て・・・しまい、その後母親も家を出たために、母方の祖母によって育てられた。すずは、父親の2番目の妻との間の娘で、仙台で育つものの母親は亡くなった。その後すずと父親は、3番目の妻のいる山形に移り住んでいた。 幸たちと住むようになったすずは、母親が幸・・・
作品一覧