おくりびと

おくりびと
公開年
2008年
製作国
日本
監督
滝田洋二郎
出演
本木雅弘、広末涼子、山崎努、吉行和子、余貴美子、笹野高史、杉本哲太、峰岸徹
「おくりびと」は、チェロ奏者の夢を諦めて妻の美香と故郷の山形に戻った大悟が、納棺師という思いもよらなかった仕事につく物語。大悟を演じた本木雅弘は納棺の特訓をし、エンドクレジットでは納棺の様子がワンカットで収められている。妻の美香を広末涼子、大悟が勤める会社の社長を山崎努が演じている。

アカデミー賞の外国語映画賞を受賞する評価を受けた。日本アカデミー賞では、10部門(作品賞、主演男優賞=本木雅弘、助演男優賞=山崎努、助演女優賞=余貴美子、監督賞、脚本賞、撮影賞、照明賞、録音賞、編集賞)で最優秀賞を受賞し、3部門(主演女優賞=広末涼子、音楽賞、美術賞)で優秀賞に選ばれた。興行的にも興行収入64.8億円のヒットとなり、2008年の邦画の3位となった。

チェロの仕事を失う

東京でオーケストラのチェロ奏者をしている小林大悟だったが、楽団の解散が決まる。妻の美香に仕事を失ったことと、チェロを買った時の1,800万円の借金があることを明かす。自分の才能では他の楽団を見つけることは難しいとわかっている大悟は、田舎の山形に帰ろうと考える。美香も大悟の考えに賛成する。

NKエージェント

かつて父が喫茶店をやり、父が愛人と家出してからは母がスナックをやっていた山形の実家に引っ越した美香と大悟。大悟は未経験者歓迎で高級保証のNKエージェントの求人広告を見つける。面接に行った大悟は、社長の佐々木から納棺の仕事であることを告げられる。ためらう大悟だったが、とりあえずやってみることにする。だが、美香には仕事の内容を言えず、「冠婚葬祭関係」と言ってごまかす。

腐乱死体

大悟は、NKエージェントの唯一の社員である上村百合子から、棺の種類によって値段が違うことを教わる。佐々木から電話で呼び出された大悟は、納棺を説明する業務用DVDに死体の役として出演する。その後、初仕事がやって来る。死後2週間経過した腐乱死体の処理を手伝わされた大悟は、作業中に嘔吐する。

  

人物 1 おくりびと

小林大悟

俳優:本木雅弘 小林大悟は、チェロ奏者から納棺師に転身する、映画「おくりびと」の登場人物。山形県・・・で生まれ育つ。喫茶店を開いていた父が小さい頃にウェートレスと家出し、喫茶店のあとをスナックにして働いた母親に育てられる。小さい頃に父に言われて始めたチェロを続け、チェロ奏者としてオーケストラの一員となる。2年前に母を亡くしたが、演奏旅行中で・・・
人物 2 おくりびと

小林美香

俳優:広末涼子 小林美香は、大悟の妻である、映画「おくりびと」の登場人物。大悟のことは「大ちゃん・・・」と呼ぶ。ウェブデザイナーの仕事をしている。チェロをやめて山形の田舎に帰ろうと話す大悟に賛成し、一緒に引っ越す。大悟の新しい仕事を「冠婚葬祭関係」と聞いて結婚式場と勘違いするものの、大悟が出演する納棺師の仕事を説明するDVDを発見。仕事内容・・・
人物 3 おくりびと

佐々木生栄

俳優:山崎努 佐々木生栄は、NKエージェントの社長である、映画「おくりびと」の登場人物。9年前・・・に妻に先立たれ、妻の納棺を手がけてから納棺師を仕事としている。オフィスの2階で多くの植物を育てており、網焼きの設備も整えている。 面接に訪れた大悟を、履歴書をまったく見ずに即採用を決める。戸惑う大悟に、月給50万円(現金日払いでもOK)を・・・
セリフ・名言 1 おくりびと

大悟(ナレーション)「東京から山形の田舎に戻ってもうすぐ2カ月。思えば、何ともおぼつかない毎日を生きてきた」

0:00:45頃 「おくりびと」の最初に語られるナレーション。吹雪の中を車の運転・・・をする大悟が語る。この2カ月に起こったことがこのあと描かれていき、同じシーンに到達した時に再び語られる(1:20:35頃)。大悟は納棺師というこれまでに思いもよらなかった職業を仕事にしているのだった。 ・・・
セリフ・名言 2 おくりびと

大悟「それではただ今より、故人さまの安らかな旅立ちを願いまして、納棺の儀、執り行わせていただきます」

0:02:55頃 納棺師として佐々木の下で働くようになった大悟が、初めて納棺を手・・・がけることになる。納棺を始める前に、大悟が遺族に対して語りかける言葉。遺族たちは遠慮がちに少し近づく。このあと、納棺はおごそかに執り行われる。 ・・・
セリフ・名言 3 おくりびと

大悟「ついてるんですけど・・・」

0:05:40頃 大悟が納棺師として初めての仕事を手がける。女性と思っていた遺体・・・の体を拭く大悟は、男性器がついていることに気づく。大悟は佐々木にそのことを冷静に報告する。自らも確認した佐々木は、遺族に死に化粧について相談する。 ・・・
音楽 1 おくりびと

交響曲第9番第4楽章/歓喜の歌

「交響曲第9番第4楽章」は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンが1824年に作曲・・・した交響曲で、「歓喜の歌」としても知られている。映画では、「時計じかけのオレンジ」(1971)や「ダイ・ハード」(1988)などで使われている。「おくりびと」では、大悟が所属するオーケストラが演奏するものの、客席はさびしい(0:08:00頃・・・
音楽 2 おくりびと

おくりびと

「おくりびと」は、音楽を担当した久石譲が作曲した楽曲。山形の家で大悟がチェロで演・・・奏するシーン(0:45:10頃)、残されていたレコードで大悟と美香が聞くシーン(1:03:15頃)、河川敷で大悟がチェロで演奏するシーン(1:28:35頃)で使われている。本編では使用されていないが、イメージソングとして、AI詞をつけて自ら・・・
音楽 3 おくりびと

アヴェ・マリア

「アヴェ・マリア」は、フランスの作曲家でシャルル・グノーが、ヨハン・ゼバスティア・・・ン・バッハの曲を伴奏に完成させた声楽曲。「おくりびと」では、クリスマスの夜に佐々木と上村からクリスマスらしい曲をリクエストされた大悟が、チェロで演奏する(1:26:00頃)。 ・・・
キーワード 1 おくりびと

評価、興行収入

「おくりびと」は、アカデミー賞の外国語映画賞を受賞する評価を受けた。日本アカデミ・・・ー賞では、10部門(作品賞、主演男優賞=本木雅弘、助演男優賞=山崎努、助演女優賞=余貴美子、監督賞、脚本賞、撮影賞、照明賞、録音賞、編集賞)で最優秀賞を受賞し、3部門(主演女優賞=広末涼子、音楽賞、美術賞)で優秀賞に選ばれた。興行的にも興行・・・
キーワード 2 おくりびと

山形県、ロケ地

「おくりびと」の主な撮影は山形県で行われた。以下の場所などで撮影されている。 ・・・■河川敷 大悟がチェロを弾く。飽海郡遊佐町の月光川の河川敷で撮影されている。 ■NKエージェント 酒田市日吉町にある、かつて割烹料理店だった建物が使われている。 ■コンサート会場 酒田市本町にあるホールで撮影されている。 ■美香が実家・・・
キーワード 3 おくりびと

納棺師、納棺

大悟が働くことになる職業は納棺師である。遺体を棺に収めるのが仕事で、亡くなった遺・・・体の体を拭き、死装束に着替えさせ、顔を剃って化粧を施す。死者の尊厳を保つため、着替えの時に肌が見えないようにするなど、気を使う部分が多い。 「おくりびと」では、亡くなった妻をきれいにしてくれたことに感謝の言葉を述べる夫、女性と思っていたら・・・
作品一覧