名シーン紹介　市民ケーン

ケーンを手放す書類にサインをする母親

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時間：　0:18:50頃

見どころ
・聡明だが親子の愛情を感じさせない母親
・「パンフォーカス」の見本のような、窓の外で遊ぶチャールズ（ケーン）の姿

チャールズ（ケーン）の母が宿代の代わりにもらったコロラドの金鉱から金が出たことで、ケーンの母はある決意をする。銀行に金鉱の管理を任せると同時に、息子チャールズの養育も任せることにしたのだ。チャールズの後見人に指名されたサッチャーが手続きを進める。チャールズの父親は反対しているが、母親はサインをする。

短い時間のセリフの中で、ケーンの両親の性格が深く刻まれている。父親はろくでなしなこと。母親は父親とケーンを引き離したがっていること。手に入れた巨万の富を、父親が使えるようになると、すべて使い果たしてしまうことも心配しているのかもしれない。反対している父親も、死ぬまで毎年5万ドルの年金がもらえると聞いて納得するところを見ると、ケーンのことは深く考えていないようだ。

母親は聡明な人物なのだろう。冷静な判断をして、自らの生涯を生きるのに十分な財産を手に入れる。チャールズのことも考えてはいるのだろうが、ここには親子の情のようなものはかけらも感じられない。そのことがチャールズの心のなかにずっと残っていることが、この後分かってくる。

このシーンでは、「市民ケーン」を語る上で必ず登場する単語である「パンフォーカス」が、見本のように使われている。「パンフォーカス」とは、被写体の距離にかかわらず、画面のすべてにピントを当てる手法のことだ。冷静に財産についての処理を進める大人たちの姿を手前で描きながら、窓の外では少年時代のケーンが無邪気に遊ぶ姿がずっと映し出され、見事な対比となっている。

登場人物・キャスト

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人物 1 市民ケーン

チャールズ・フォスター・ケーン

俳優：オーソン・ウェルズチャールズ・フォスター・ケーンは世界有数の大富豪であり、新聞王。母親が権利を持っ・・・ていた金鉱から金が出た際に、後見人サッチャーに預けられる（1871年）。25歳になると莫大な資産を手に入れ世界で6番目の資産家となる。だが、金鉱などには興味を持たず、バーンスティンや友人で劇評家のリーランドとともに、ニューヨークの新聞インク・・・

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人物 6 市民ケーン

ウォルター・サッチャー

俳優：ジョージ・クールリス運営する会社とケーンの母親との間で契約を交わし、ケーンの後見人となる。金融会の大・・・物。ケーンが新聞社経営に乗り出し、ケーン自身が株主の企業を批判し、経営が赤字であることをたしなめるものの、相手にされない。サッチャー図書館を設立し、そこに残されていたメモを、記者のトンプソンが調べにやって来る。・幼いケーンを迎えに来た際に・・・

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人物 7 市民ケーン

メアリー・ケーン

俳優：アグネス・ムーアヘッドケーンの母親。経営していた宿屋の客から、宿泊費の代わりに権利書を受け取った鉱山か・・・ら、世界第3位の規模の金が見つかったため、大金持ちなる。暴力的な父親からケーンをと引き離すためもあり、財産管理とケーンの養育をサッチャーの会社に任せ、自らは年5万ドルの年金を受け取る。・・・