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星野六子は、青森から集団就職でやって来る、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の登場人物。リンゴのように赤いほっぺがトレードマークで、おっとりとした東北訛りが特徴。上にきょうだいが5人いる。自動車会社に就職予定で、上京する汽車の中で友達から「社長秘書さ、なるんでねえのがあ?」と言われてその気になる。
迎えに来た社長の則文の車は古ぼけた小さな三輪自動車で、到着した就職先の鈴木オートは家族経営の小さな自動車修理工場だった。作業着を手渡され、社長秘書とは程遠い仕事だと知ってため息をつく。名前の読みは「むつこ」だが、社長の妻のトモエに間違って「ろくこ」と読まれ、それ以来、「ろくちゃん」と呼ばれるようになる。東京での最初の夜、心細さに涙を流すが、鈴木オートの息子の一平がもうすぐテレビが来ることを教えてくれて、元気を取り戻す。
自動車修理の知識がないことから、社長の則文から「経歴詐称」「嘘つき」と言われて怒り、「自動車会社ではなく、ただの小さい自動車修理工場だ」と言い返し、大喧嘩になる。その後、履歴書の「自転車修理」を「自動車修理」と読み違えた社長の則文の勘違いが発覚し、騒動は収まる。六子は一から自動車修理の仕事を覚え、鈴木家の人たちとも仲良く暮らす。
夏、お盆の帰省を勧められるが六子はなぜか遠慮する。冷蔵庫の中で腐ったシュークリームをトモエに捨てておくよう言われるが、生まれて初めてシュークリームを目にした六子は我慢できずに食べてしまい、食あたりを起こす。往診にきた宅間先生に注射を打たれる。
クリスマスに生まれて初めてプレゼントをもらった六子は喜ぶが、中身が青森へ帰省するための切符だと知り、悲しげな表情になる。帰省当日、思い詰めた様子の六子は鈴木やトモエに切符を返す。「自分が実家に帰っても家族は喜ばない、自分は捨てられたんだ」と、泣いて2階の部屋に駆け上がってしまう。部屋で泣いていると、トモエから青森の母からの便りを六子に見せ、内緒と言われていたが六子の母から毎月便りがあったことを教えてもらう。母の思いを知って涙を流し、則文の運転する三輪自動車に乗せられ上野駅へと向かう。
星野六子を演じているのは堀北真希。公開時17歳頃。同時期の映画出演作には、「深紅」(2005)、「HINOKIO」(2005)、「逆境ナイン」(2005)などがある。