名シーン紹介 市民ケーン
リーランドの原稿を仕上げるケーン
重要な部分に触れている場合があります。
時間: 1:19:25頃
見どころ
・ケーンの複雑な性格がにじみ出る、リーランドの劇評への対応
・パンフォーカスを効果的に使った、ケーンがタイプを打つショット
・クビになるリーランド
スーザンを妻としたケーンは、スーザンに音楽の先生をつけて特訓させ、シカゴにオペラハウスを建設する。オペラハウスのこけら落としにスーザンを主役としたオペラを上演。シカゴで劇評を書いていたリーランドが観劇し、劇評を書いているうちに寝てしまう。そこにやって来たケーンは、書きかけのリーランドの劇評を読む。
スーザンの歌は決してうまくなく、ケーンのゴリ押しによって、スーザンを主役としたオペラが上演された。そのことは誰もが知っていることだったが、ケーンが経営する系列の新聞社は、スーザンを持ち上げる。そんな中、昔からのケーンの友人であるリーランドは、厳しい意見の劇評を書いていた。
リーランドが酒を飲んで眠ってしまったため途中になっている劇評を、ケーンが仕上げる。リーランドの名前で掲載する劇評の内容を変更させるのはケーンのプライドが許さない。だが、リーランドの手によってスーザンが酷評されるのも許せない。結果として、ケーン自らがリーランドに代わって、スーザンを酷評する劇評を執筆することにしたのだろう。ここにも、ケーンの複雑な性格がにじみ出ている。
このシーンでは、パンフォーカス(被写体のすべてにピントを合わせた手法)が効果的に使われている。原稿をタイプしているケーンを極端なアップで捉え、画面後ろからやって来るリーランドの姿を同時に捉えている。
ケーンはリーランドをクビにし、2人の友情関係はここで明確な終わりを告げることになる。
ちなみに、ケーンがスーザンをオペラ歌手に仕立て上げようとするエピソードは、ケーンのモデルとなった新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストが、マリオン・デイヴィスという若い愛人を映画スターに仕立て上げようとして映画会社まで作った実話が元になっている。
登場人物・キャスト
IMDb
人物 1
市民ケーン
俳優:オーソン・ウェルズ
チャールズ・フォスター・ケーンは世界有数の大富豪であり、新聞王。母親が権利を持っ・・・ていた金鉱から金が出た際に、後見人サッチャーに預けられる(1871年)。25歳になると莫大な資産を手に入れ世界で6番目の資産家となる。だが、金鉱などには興味を持たず、バーンスティンや友人で劇評家のリーランドとともに、ニューヨークの新聞インク・・・
IMDb
人物 2
市民ケーン
俳優:ジョゼフ・コットン
ケーンの友人で、同僚。若き日のケーンと友人になり、インクワイア紙の経営に乗り出し・・・たケーンによって、劇評家として契約する。発行部数を伸ばすケーンを近くで見守り、戦友のような関係となる。だが、知事選に落選したケーンに対し、傲慢さを批判。自ら志望して、シカゴへと転属する。その後数年間にわたり、ケーンとは口をきかない。
ケー・・・
IMDb
人物 4
市民ケーン
俳優:エヴェレット・スローン
若き日のケーンと知り合い、ともにインクワイア紙の運営に乗り込む。リーランドととも・・・に、ケーンの古くからの友人。老いた後も巨額の富を保有しており、執務室の壁には巨大なケーンの肖像画が飾られている。ケーンの理解者で忠実な部下。ケーンが金以外のものを求めていたことを理解している。そのことを分からないサッチャーを馬鹿にする。記者・・・
セリフ・名言
IMDb
セリフ・名言 14
市民ケーン
1:22:10頃
ケーンは2番目の妻スーザンをオペラ歌手に仕立て上げ、シカゴにオ・・・ペラハウスまで建築する。デビュー公演でのスーザンを酷評する、リーランドが途中まで書いた劇評を、ケーンが最後まで仕上げている。原稿をタイプしているケーンとリーランドの会話。ケーンが知事選で落選した後にリーランドはシカゴに転属し、何年も会話をし・・・
その他のシーン
シーン 9
市民ケーン
見どころ
・物を投げ、家具を壊すケーン
・オープニングに出てきたスノードームと・・・、スノードームが描き出す世界
2番目の妻スーザンをオペラの主役にし、アメリカ全土をツアーさせたケーン。そんなケーンの押し付けの愛に苦悩するスーザンは、耐えられなくなり自殺を図る。歌手をやめたいというスーザンの希望を聞き入れたケーン。その後・・・
シーン 10
市民ケーン
見どころ
・「バラのつぼみ」の謎の真相
・「バラのつぼみ」を追い求めたトンプソ・・・ンがたどり着いた結論
ニュース映画の記者であるトンプソンは、ケーンの最後の言葉「バラのつぼみ」の謎を追って、かつての親友リーランドや、2番目の妻スーザンなどからケーンのことを取材してきた。だが、結局「バラのつぼみ」の謎は解けなかった。だが・・・
シーン 1
市民ケーン
見どころ
・ホラー映画のような出だし
・シュールな映像詩のようなケーンの死の描・・・写
巨大な屋敷の一室で横になる一人の男。手には、スノードームが握られている。「バラのつぼみ」とつぶやいた男の手からスノードームが落ち、転がり、割れる。女性の看護師がやって来て、男の顔にシーツを被せる。男は死んだのだった。
「市民ケーン」・・・
シーン 2
市民ケーン
見どころ
・聡明だが親子の愛情を感じさせない母親
・「パンフォーカス」の見本の・・・ような、窓の外で遊ぶチャールズ(ケーン)の姿
チャールズ(ケーン)の母が宿代の代わりにもらったコロラドの金鉱から金が出たことで、ケーンの母はある決意をする。銀行に金鉱の管理を任せると同時に、息子チャールズの養育も任せることにしたのだ。チャ・・・
シーン 3
市民ケーン
見どころ
・ケーンの複雑さと矛盾を感じさせる編集方針
・余裕たっぷりのケーンの・・・姿
25歳になったケーンは、全財産を受け取る。母親が持っていた金鉱以外にも、後見人のサッチャーの会社は、さまざまな事業に進出し、多角経営を行っていた。だが、ケーンが興味を持った事業は1つだけ。新聞社だった。地味な新聞社だったインクワイア紙・・・