セイヤー医師の赴任
少年のレナードは、徐々に手が動かなくなる病に冒される。テストの解答もできなくなってしまったレナードは、1人で家にこもる生活を送る。1969年、ブルックリン。マルコム・セイヤー医師が、慢性神経病患者専門の病院に赴任する。研究が専門で人付き合いが苦手なセイヤーはなれない臨床に苦労するが、看護師のエレノアが励ます。
ルーシー
新しい患者のルーシーが落ちたメガネをキャッチするのを見たセイヤーは、反応を示さない患者にも反射神経が残っていることに気づく。周囲の医師は意味を認めないが、エレノアはセイヤーを応援する。セイヤーは、他の患者も同じような反応を示すことを確認する。ある日、セイヤーはルーシーが自分の足で歩くのを見かける。だがルーシーは部屋の途中で動きを止めてしまう。
シーン 1
1969年、ブルックリン。マルコム・セイヤー医師が、慢性神経病患者専門の病院に赴・・・任する。研究が専門で人付き合いが苦手なセイヤーは慣れない臨床に苦労するが、看護師のエレノアが励ます。病院には、四肢が硬直し、呼びかけにも応じない患者が多くいる。セイヤーは、新しく入院した患者のルーシーを診察する。
目の前でメガネを落とすと・・・
嗜眠性脳炎
エレノアと一緒に患者のカルテを調べたセイヤーは、反応を示さない患者たちが1920年代に流行した嗜眠性脳炎にかかっていたことを突き止める。当時、嗜眠性脳炎の研究をしていたインガム医師を訪ねたセイヤーだったが、患者は「何も考えていない」とインガム医師から言われる。一方でセイヤーは、ルーシーが窓の外を眺めようとしていることを発見する。
リルケ「パンサー」
中年となったレナードの母親と話をしたセイヤーは、発症して反応をしなくなるまでのレナードが読書をしていたことを聞く。セイヤーは、レナードが名前を呼ばれた時や、患者が特定の音楽を聞いた時に反応を示すことに気づく。ある夜、セイヤーが手を貸してレナードに文字盤を使わせたところ、リルケの「パンサー」という詩の題名をつづる。
レナードの目覚め
パーキンソン病の新薬であるLドーパの存在を知ったセイヤーは、嗜眠性脳炎の患者たちへの効果を期待する。上司のカウフマン医師から1人だけへの投与を認めてもらったセイヤーは、レナードの母親から同意のサインをもらう。薬を投与されたレナードになかなか効果が現れないため、セイヤーは投与量を増やす。ある夜、居眠りから覚めたセイヤーは、自分の名前を紙に書くレナードを見つける。
シーン 2
パーキンソン病の新薬であるLドーパの存在を知ったセイヤーは、嗜眠性脳炎の患者たち・・・への効果を期待する。上司のカウフマン医師から1人だけへの投与を認めてもらったセイヤーは、レナードの母親から同意のサインをもらう。薬を投与されたレナードになかなか効果が現れないため、セイヤーは投与量を増やす。
ある夜、レナードのベッドの脇で・・・
30年ぶりの世界
回復したレナードに、セイヤーも、病院の職員も、セイヤーの母親も驚く。セイヤーは30年も眠っていたために自分の外見が変わってしまったことに戸惑う。セイヤーはレナードを町に連れ出す。音楽も、乗り物も、服装も変わったことに驚くレナード。またレナードは、エレノアがセイヤーに好意を抱いていることを指摘する。
全員が回復
セイヤーは、患者全員へのLドーパの投薬を上司のカウフマン医師に求める。費用面から難色を示すカウフマンだったが、看護師や職員が病院へ投薬のための寄付をする、後援者にセイヤーが説明をする場が設けられる。セイヤーはかつてのレナードの映像と回復したレナードの映像を後援者に見せ、資金を得ることに成功する。Lドーパを投薬された患者はみんな回復する。
シーン 3
パーキンソン病の新薬であるLドーパの存在を知ったセイヤーは、Lドーパをレナードに・・・試験的に投与する。回復したレナードに、セイヤーも、病院の職員も、セイヤーの母親も驚く。レナードは、30年も眠っていたために自分の外見が年を重ねたことに戸惑う。セイヤーはレナードを町へと連れ出す。音楽も、乗り物も、服装も変わったことに、レナー・・・
シーン 4
パーキンソン病の新薬であるLドーパを投与されたレナードが回復する。セイヤーは、患・・・者全員へのLドーパの投薬を上司のカウフマン医師に求める。費用から難色を示すカウフマンだったが、看護師や職員から投薬のための寄付を受けたこともあり、後援者にセイヤーが説明をする場が設けられる。セイヤーは、かつてのレナードの映像と回復したレナー・・・
ポーラ
回復した患者たちは、セイヤーに連れられて外出する。だがレナードは、病院で見かけたポーラのことが気になり、残ることにする。食堂でポーラと話をしたレナードは、話しかけても反応のないポーラの父親は、ポーラのことを気づいていると話をする。一方、外に出かけた患者たちは、ダンスホールで楽しい時間を過ごす。
自由に外に出る権利
回復した患者の中には、喜ぶ者も入れば、年老いて知り合いもいなくなったことに慣れない者もいる。人生の素晴らしさに気づいたレナードは、1人で外に出たいと考える。理事会で自由に外に出る権利を訴えるレナードだったが、否決されてしまう。怒ったレナードは強引に外に出ようとして連れ戻される。そんなレナードの姿に、母親はショックを受ける。また、この頃から、レナードの顔にけいれんが見られるようになる。
シーン 5
レナードをはじめとする嗜眠性脳炎の患者たちが、セイヤー医師によるLドーパの投与に・・・よって回復する。回復した患者たちは、セイヤーに連れられて外出し、ダンスホールで楽しい時間を過ごす。レナードは、病院に父の見舞いに来たポーラのことが気になり、食堂でポーラと話をする。話しかけても反応のないというポーラの父の話を聞いたレナードは・・・
シーン 6
Lドーパによって回復したレナードは、病院に父の見舞いに来たポーラのことが気になり・・・、食堂でポーラと話をする。ある夜、深夜にも関わらず、人生や生きることの素晴らしさを多くの人々に伝えたいとセイヤーに熱弁を振るうレナード。その話をセイヤーから聞いた薬剤師は、レナードが恋をしている可能性を指摘する。
ある日、レナードは理事会・・・
悪化
レナードは、他の患者を扇動してハンガー・ストライキを始める。レナードのけいれんは悪化していく。説得に現れたセイヤーを、レナードが突き飛ばす。その後、けいれんがどんどんひどくなったレナードはついに動けなくなる。様子を見に来たセイヤーは、うずくまって動けなくなったレナードから助けを求められる。レナードは、元の病室に戻る。
シーン 7
嗜眠性脳炎から回復したレナードは、理事会に要望を伝える。要望とは、1人で自由に外・・・出する権利だった。理事会のあと、セイヤーはレナードに要望が否決されたことを伝え、レナードは失望する。怒ったレナードは強引に外に出ようとして連れ戻される。レナードは、他の患者を扇動して、ハンガー・ストライキを始める。
セイヤーがレナードの説・・・
シーン 8
1人での外出の要望を受け入れてもらえなかったレナードは、他の患者を扇動してハンガ・・・ー・ストライキを始める。レナードのけいれんは悪化していく。セイヤーが説得に行くが、レナードはセイヤーを突き飛ばす。その後、けいれんがどんどんひどくなったレナードはついに動けなくなる。様子を見に来たセイヤーは、うずくまって動けなくなったレナー・・・
ダンス
病状はどんどん悪化していくレナードは、研究のために自分の姿を映像で記録するようにセイヤーに求める。レナードの母は、レナードへの助けをセイヤーたちに求める。だが病状はよくならない。ある日、ポーラと食堂で会ったレナードは、体のけいれんが止まらない。「会うのは最後にしよう」と話して立ち去ろうとするレナードを、ポーラが止める。そして、ポーラはレナードの手を自分の腰に回し、2人はダンスを踊る。
シーン 9
一時は回復したレナードだったが、再び病状が悪化していく。けいれんが止まらないレナ・・・ードの様子を見た嗜眠性脳炎の患者たちは、自分もレナードのように戻ってしまうと不安がる。病状はどんどん悪化していくレナードだったが、研究のために自分の姿を映像で記録するようにセイヤーに話す。また、レナードの母は、レナードへの助けをセイヤーたち・・・
その後
レナードをはじめ、他の患者たちもみんな元に戻ってしまう。無力感を抱くセイヤーを、エレノアが優しく励ます。ある夜、回復していた頃のレナードの写真を見たセイヤーは、病院から帰宅するエレノアに声をかけ、コーヒーに誘う。エレノアは笑顔で了承する。このあともセイヤーたちによって治療が続けられ、短期間の改善はあったものの、1969年のような劇的な回復は見られないことが語られる。
シーン 10
レナードと嗜眠性脳炎の患者たちがLドーパの投与によって回復した夏が終わる。レナー・・・ドも他の患者たちもみんな元に戻ってしまう。回復した時に撮影されたレナードや自分の映像を見ながら、セイヤーは無力感を語る。そんなセイヤーに対し、エレノアは肩に手を乗せて励ます。映像では、レナードとセイヤーが笑顔で握手をしている。
冬となり、・・・
シーン 1
レナードの朝
1969年、ブルックリン。マルコム・セイヤー医師が、慢性神経病患者専門の病院に赴・・・任する。研究が専門で人付き合いが苦手なセイヤーは慣れない臨床に苦労するが、看護師のエレノアが励ます。病院には、四肢が硬直し、呼びかけにも応じない患者が多くいる。セイヤーは、新しく入院した患者のルーシーを診察する。
目の前でメガネを落とすと・・・
シーン 2
レナードの朝
パーキンソン病の新薬であるLドーパの存在を知ったセイヤーは、嗜眠性脳炎の患者たち・・・への効果を期待する。上司のカウフマン医師から1人だけへの投与を認めてもらったセイヤーは、レナードの母親から同意のサインをもらう。薬を投与されたレナードになかなか効果が現れないため、セイヤーは投与量を増やす。
ある夜、レナードのベッドの脇で・・・
シーン 3
レナードの朝
パーキンソン病の新薬であるLドーパの存在を知ったセイヤーは、Lドーパをレナードに・・・試験的に投与する。回復したレナードに、セイヤーも、病院の職員も、セイヤーの母親も驚く。レナードは、30年も眠っていたために自分の外見が年を重ねたことに戸惑う。セイヤーはレナードを町へと連れ出す。音楽も、乗り物も、服装も変わったことに、レナー・・・
人物 1
レナードの朝
俳優:ロビン・ウィリアムズ
マルコム・セイヤーは、慢性神経病患者専門の病院に赴任する医師である、映画「レナー・・・ドの朝」の登場人物。人付き合いが苦手で、これまで研究職についてきた。ニューヨークのブロンクスにある慢性神経病患者専門の病院では、不慣れな臨床を担当することになる。最初は戸惑うものの、看護師のエレノアの協力も得て、徐々に慣れていく。
呼びか・・・
人物 2
レナードの朝
俳優:ロバート・デ・ニーロ
レナード・ロウは、慢性神経病患者専門の病院に入院する嗜眠性脳炎の患者である、映画・・・「レナードの朝」の登場人物。11歳の時に嗜眠性脳炎を患う。手が震える症状から学校に行けなくなり、9年に渡って自宅で過ごす。症状の悪化によって、1939年11月14日に現在の病院に入院。呼びかけにも反応しない状態で、30年の時が過ぎていた。
・・・
人物 3
レナードの朝
俳優:ジュリー・カブナー
エレノア・コステロは、慢性神経病患者専門の病院の看護師である、映画「レナードの朝・・・」の登場人物。慣れない臨床に戸惑うセイヤーに優しく接し、治療や調査に協力する。セイヤーが後援者に資金援助を求めるプレゼンテーションをした時には、セイヤーに落ち着くようにメモを渡して緊張をほぐす。セイヤーのことを「親切な人」とレナードに語って・・・
セリフ・名言 1
レナードの朝
0:06:50頃
医師のセイヤーは、ニューヨークのブロンクスにある慢性神経病患者・・・専門の病院の面接を受ける。研究職だと思って応募したセイヤーが、過去に携わった実験について説明する。だが、病院が求めていたのは臨床医だった。
・・・
セリフ・名言 2
レナードの朝
0:14:50頃
呼びかけにも反応しない嗜眠性脳炎の患者が、ボールを投げられると・・・受け止めることに気づいたセイヤー。セイヤーは患者たちの意志は生きており、何かのきっかけで覚醒すると考える。同僚の医師の賛同は得られないが、看護師のエレノアだけは理解してくれる。
・・・
セリフ・名言 3
レナードの朝
0:25:50頃
呼びかけても反応しない患者には、1920年代に嗜眠性脳炎を患っ・・・ていたという共通点を見つけたセイヤーは、長年に渡って嗜眠性脳炎の研究をしてきたインガム医師を訪ねる。インガム医師は、嗜眠性脳炎の患者は考える能力を失ったと考えているが、セイヤーの考えは違った。
・・・
音楽 1
レナードの朝
「I'm Always Chasing Rainbows」は、アメリカのポピュラ・・・ーソング。多くのミュージシャンによって歌われている。「レナードの朝」では、セイヤーがピアノで演奏する(0:22:35頃)。
・・・
音楽 2
レナードの朝
「愛らしい乙女よ(O Soave Fanciulla)」は、イタリアの作曲家であ・・・るジャコモ・プッチーニが作曲し、1986年に初演されたオペラ「ラ・ボエーム」で歌われるアリア。「レナードの朝」では、病院でレコードをかけると、表情が変わる患者がいることにセイヤーが気づく(0:32:55頃)。
・・・
音楽 3
レナードの朝
「Shanghai Shuffle」は、ジャズのスタンダードナンバー。「レナード・・・の朝」では、病院でレコードをかけると、それまで動かなかったローズが食事を始める反応を見せる(0:33:55頃)。
・・・
キーワード 1
レナードの朝
「レナードの朝」は、アカデミー賞の3部門(作品賞、主演男優賞=ロバート・デ・ニー・・・ロ、脚色賞)にノミネートされる評価を受けた。日本アカデミー賞では、優秀外国作品賞に選ばれた。
・・・
キーワード 2
レナードの朝
「レナードの朝」は、オリバー・サックス医師の実体験を元にしたノンフィクションを原・・・作とした作品である。原作では、映画と同様にパーキンソン病の新薬「Lドーパ」が患者に投与された20人の患者の症例が記述されている。映画では主に、レナードに焦点が当てられている。ロビン・ウィリアムズが演じたマルコム・セイヤー医師のモデルは、オリ・・・
キーワード 3
レナードの朝
「嗜眠性脳炎」は、1910年代から1920年代にかけて流行した脳炎。ウイルスが原・・・因と言われているが、確実には判明していない。別名「眠り病」とも言われる。患者は四肢の硬直した状態となり、呼びかけにも応じない。だが、セイヤー医師によって、「投げたボールをキャッチする」「特定の音楽を聞くと動く」といった反応を示すことが明らか・・・