名シーン紹介 カサブランカ

リックとルノーの友情の始まり

重要な部分に触れている場合があります。

時間: 1:40:00頃

見どころ
・実は愛国者でもあったルノー
・捨てられるヴィシー水
・「ルイ、これが俺たちの友情の始まりだな」

リックとイルザの物語は終わり、リックとルノーの新しい友情が始まる。

イルザとラズロは飛行機に乗り込み、飛行機は滑走路へ向かう。そこに、ルノーからトラブルの連絡を受けていた、ナチスのシュトラッサー少佐がやって来て、飛行機の離陸を止めようとする。それを阻止するために、シュトラッサー少佐を撃つリック。集まってきた警官にリックは逮捕されるかと思いきや、ルノー署長は「いつもの奴らを検挙しろ」とリックを見逃してやる。

ルノー署長の「いつもの奴らを検挙しろ(Round up the usual suspects)」は、AFI(アメリカ映画協会)が2005年に選出した名ゼリフ100の32位に選ばれている。のらりくらりとナチスと付き合い、ナチスの命令に従っていたルノーが、実は愛国者でもあったことが分かる瞬間だ。

ルノーは、警察署長という立場でナチスにも取り入っているため悪役の面もある。ブルガリア人の若い妻をビザと引き換えに一夜をともにしようとするなど、倫理的にいかがなものかという面もある。だが、決してナチスに完全に服従しているわけではないことは、自らの口からも語られている。何よりもルノーはフランス人だ。フランス人たちが「ラ・マルセイエーズ」を合唱した時、立場を考えなければ、ルノーも一緒に歌いたかったことだろう。

ルノーがレジスタンスとも関係を持っている点は、ドンデン返しと言える。だが、ルノーは根っからのフランス人である一方で、ナチスとうまく立ち回っている男だ。レジスタンスとも連絡を取ってうまくバランスを取っていてもおかしくない。うまく立ち回って生きているルノーのような人物がいなければ、リックは殺されてしまったかもしれない。「カサブランカ」のキーマンは、ルノーだったのだ。

リックと2人きりになったルノーは、ヴィシー水のボトルを嫌悪感溢れる視線で見つめ、ゴミ箱に捨てる(さらにゴミ箱を蹴るほどの嫌いよう)。ヴィシーは都市の名前で、当時ナチスの傀儡政権(通称ヴィシー政権)が置かれていた。ヴィシー政権への嫌悪感=ナチスへの嫌悪感の現れであり、ヴィシー水のボトルを捨てたのは、ナチスと戦う決意の現れでもある。

イルザとラズロの乗る飛行機が無事に飛び立ったのを見届けて、ルノーとリックは空港を去っていく。「カサブランカ」は、リックがルノーに言う次の言葉で締めくくられる。「ルイ、これが俺たちの友情の始まりだな(Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship.)」。ルイはルノーのファーストネーム。このセリフは、前述の名ゼリフ100の20位に選ばれている。

ラストのビシっと決めるこのセリフは、元々脚本になかったという。撮影も終了して、ラッシュ(公開前の試写用フィルム)を見た製作のハル・B・ウォリスが、「何かが足りない」と自らが考えて付け加えたセリフだという。わざわざハンフリー・ボガートは呼び戻されて、このセリフが吹き込まれた。計算だけではなく、いろんな人の直感によっても映画が作られていた時代らしいエピソードだ。

登場人物・キャスト

カサブランカ IMDb
人物 1 カサブランカ

リック・ブレイン

俳優:ハンフリー・ボガート リック・ブレインは、カサブランカの酒場「カフェ・アメリカン」の経営者。かつては闘・・・士としてエチオピアやスペインのために活動していた。パリでイルザと出会い恋に落ちるも、パリ陥落の日にイルザに去られ、その後カサブランカに落ち着く。ヴィクター・ラズロとともに「カフェ・アメリカン」にやって来たイルザと再会。過去を思い出し、苦悩す・・・
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人物 4 カサブランカ

ルノー

俳優:クロード・レインズ ルノーは、フランス領カサブランカの警察署長。フランス本国がドイツに占領されている・・・ため、ドイツの命令に従わなければならない立場に置かれている。リックとは腐れ縁のような関係で、本来は非合法のカジノの運営を認める代わりに、自分は勝たせてもらっている。また、元は活動家だったリックを常に見張ってもいる。 ラズロがリックから通行・・・

セリフ・名言

カサブランカ IMDb
セリフ・名言 30 カサブランカ

ルノー「札付きの奴らを一斉検挙しろ」

1:40:35頃 ラズロとイルザの乗った飛行機が飛び立つのを止めようとするドイツ・・・のシュトラッサー少佐をリックは撃つ。銃声を聞いた警官たちがやって来る。真相を知っているのはリックとルノーの2人。そこでルノーが警官たちに出す指示の言葉。食えない人物として描かれてきたルノーが、愛国者でもあったことが明らかになる。 ちなみに・・・
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セリフ・名言 31 カサブランカ

リック「ルイ、美しき友情の始まりだな」

1:42:00頃 一緒に飛行機でカサブランカを去るとイルザに話していたリック。だ・・・が、リックは最初からイルザとラズロを出国させるつもりだった。戸惑うイルザにリックが言うセリフ。ラズロの仕事(レジスタンス活動)の重要さを訴え、リックはイルザを説得する。 ・・・

その他のシーン

シーン 1 カサブランカ

リックを”センチメンタリスト”と指摘するルノー

見どころ ・互いの本質を見抜いているリックとルノーの会話 ・ナチスへの意地を感じ・・・させるルノーの言葉と、相反する行動 アメリカ人のリックは、カサブランカでバーとカジノをやっている。怪しげなウーガーテからも信頼されており、ただ者ではない雰囲気を漂わせ、シニカルで謎めいてもいる。ルノーはカサブランカのフランス警察のトップだ・・・
シーン 2 カサブランカ

パリでの最後の時間

見どころ ・別れを決意して、涙目でぎこちない表情を見せるイルザ ・「crazy ・・・world」の伏線 ・「キスして。これが最後のようなキスを」 リックが回想する、イルザとのパリ最後の日の様子。ドイツ軍がパリに迫り、リックは当然のようにイルザと一緒に逃げ出そうとしている。イルザは、用事があるので駅で落ち合おうと言う。マル・・・
シーン 3 カサブランカ

素直になれないリック

見どころ ・未練に満ち溢れているが、素直になれないリック ・回りくどいイルザの説・・・明 ・頬で止まるイルザの涙 未練たっぷりだが素直になれず、イルザに冷たくあたる酔っぱらいのリックを見ることができる。 イルザとのパリの日々をリックが回想しているところに、当のイルザがやって来る。すでにかなり酔っ払っているリックはイルザに・・・
シーン 4 カサブランカ

リックに変わらぬ愛を告白するイルザ

見どころ ・あくまで冷たいリック ・リックに変わらぬ愛を告白するイルザ ・頬を流・・・れるイルザの涙 あくまでも冷たい態度を突き通すリックに、ついにイルザが折れる。 カサブランカから離れるための通行証を持つリック。ラズロに売ってくれと頼まれるも、リックは断る。理由を聞かれ、「イルザに聞け」とリックが答えたことを知ったイル・・・
シーン 5 カサブランカ

ラズロと一緒に去るようにイルザを説得するリック

見どころ ・次から次に出てくる名ゼリフ ・トレンチコート姿のリック ・リックとイ・・・ルザを真横から撮影したショット ハンフリー・ボガートの代名詞にもなっているトレンチコート姿、連発される名ゼリフ、ボギーとイングリッド・バーグマンのコンビネーションを堪能できる。 リック、イルザ、ラズロ、ルノー署長の4人は、飛行場へやって・・・
ストーリー カサブランカ

ストーリー・あらすじ紹介

カサブランカのストーリー・あらすじ紹介。
人物 カサブランカ

登場人物紹介

カサブランカの登場人物紹介。
セリフ・名言 カサブランカ

セリフ紹介

カサブランカのセリフ紹介。
  • 作品

ロッキー2

公開年 1979年
製作国 アメリカ
監督  シルヴェスター・スタローン
出演  シルヴェスター・スタローン、タリア・シャイア
  • 作品

トップガン

公開年 1986年
製作国 アメリカ
監督  トニー・スコット
出演  トム・クルーズ、ケリー・マクギリス
  • 作品

ロッキー5/最後のドラマ

公開年 1990年
製作国 アメリカ
監督  ジョン・G・アヴィルドセン
出演  シルヴェスター・スタローン、タリア・シャイア
  • 作品

市民ケーン

公開年 1941年
製作国 アメリカ
監督  オーソン・ウェルズ
出演  オーソン・ウェルズ、ジョゼフ・コットン
  • 作品

シャイニング

公開年 1980年
製作国 アメリカ
監督  スタンリー・キューブリック
出演  ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル
作品一覧