英国王のスピーチ

英国王のスピーチ
公開年
2010年
製作国
イギリス、オーストラリア
監督
トム・フーパー
出演
コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター、ガイ・ピアース
「英国王のスピーチ」は、吃音症に悩まされてるイギリスのアルバート王子が、言語療法士のライオネル・ローグの治療を受ける姿を描いた作品。実話が基になっている。第二次世界大戦開戦時の、ジョージ6世が行うスピーチがハイライトである。

脚本を担当したデヴィッド・サイドラーは、自身もかつて吃音症だった経験があり、以前から「英国王のスピーチ」の企画を考えていた。だが、ジョージ6世の治療記録は、ジョージ6世の妻エリザベスから存命中の公開を認められなかったため、2002年のエリザベスが死去後に、映画化に向けた動きがスタートした。

アカデミー賞の12部門にノミネートされ、4部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞)を受賞するなど高い評価を得た。興行的にも、1,500万ドルの制作費に対し、全世界で4億ドル以上の興行収入を上げる大ヒットとなった。

アルバートの吃音

1925年の大英帝国博覧会閉会式。父の国王ジョージ5世から命じられ、聴衆の前であいさつを行うヨーク公アルバートだったが、吃音のためにうまく話せない。聴衆は失望の色を見せる。1934年、言語療法士の治療を受けるアルバートだったが、よくなる兆候はない。アルバートの妻エリザベスは、オーストラリア人の言語療法士ライオネル・ローグのことを聞き、治療を依頼する。

「ハムレット」の朗読

アルバートはローグの診療室を訪れる。リラックスするために、ローグは互いを名前で呼ぶように求め、アルバートのことをバーティと呼ぶ。気乗りしないアルバートに、ヘッドホンで音楽を聞かせながら「ハムレット」を朗読させるローグ。うまく話せていないと感じるアルバートは、診療の途中で帰る。ローグは、録音した朗読のレコードをアルバートに渡す。

父からの命令

父のジョージ5世から、今の王族は人々に取り入る必要があり、放送が重要な手段であると説明されるアルバート。さらにジョージ5世は、離婚歴のあるウォリス・シンプソンに夢中になっている、アルバートの兄デイヴィッドのことを見限っていることがわかる。アルバートは、スピーチの訓練をするように父から命じられる。ローグの診療室で録音したレコードを聞いたアルバートは、自分が「ハムレット」を流暢に朗読していることに気づく。

  

人物 1 英国王のスピーチ

ジョージ6世/アルバート

俳優:コリン・ファース ジョージ6世は、1936年にイギリス国王に即位した実在の人物である、映画「英国王・・・のスピーチ」の登場人物。本名はアルバート・フレデリック・アーサー・ジョージであり、ジョージ6世は統治名である。国王ジョージ5世の次男として生まれ、海軍士官などを務めた。後の女王エリザベスの父である。兄のエドワードが王位継承者だったため、王と・・・
人物 2 英国王のスピーチ

ライオネル・ローグ

俳優:ジェフリー・ラッシュ ライオネル・ローグは、アルバートの吃音症を治療する言語療法士である、映画「英国王・・・のスピーチ」の登場人物。実在の人物である。父はビール醸造の仕事をしていた。舞台役者でもあり、言語療法士をしながらリチャード三世役のオーディションも受けている(年齢とオーストラリアなまりによって落とされる)。第一次大戦で戦争神経症で吃音になっ・・・
人物 3 英国王のスピーチ

エリザベス

俳優:ヘレナ・ボナム=カーター エリザベスは、アルバートの妻である、映画「英国王のスピーチ」の登場人物。夫のため・・・に言語療法士を探しており、言語聴覚士協会の会長の紹介で、偽名を使ってローグの元を訪れる。ローグによる夫の治療にも付き合い、王となった夫が弱気になっている時には励ますなど、夫を支える。夫による、戦争が始まった時の国民に向けてのスピーチを聞き、・・・
セリフ・名言 1 英国王のスピーチ

ローグ「仕事を変えるべきでは?」 エリザベス「変えられないのです」

0:09:50頃 夫アルバートの吃音症を治すために言語療法士を探すエリザベスは、・・・ローグの元を訪れる。ジョンソンと偽名を使って身分を隠し、夫の正体も明かさない。治療の相手が王族とは思いもよらないローグだったが、このあと本当のことを知る。・・・
セリフ・名言 2 英国王のスピーチ

アルバート「タ・・・タ・・・タイミングがうまく取れなくてね」

0:20:45頃 王族であるアルバートの吃音症の治療をすることになったローグ。自・・・分の診療室にやって来たアルバートに対し、リラックスさせようと雑談をする。ジョークはオチのタイミングが重要だが、吃音症のアルバートはうまくタイミングが取れない。・・・
セリフ・名言 3 英国王のスピーチ

ローグ「では、公式の愚か者だ」

0:22:25頃 タバコを吸おうとするアルバートを、ローグが止める。だが、それま・・・でアルバートを治療してきた医者は、タバコを勧めていたのだという。このあと、治療中にタバコを吸おうとするアルバートから、ローグがタバコを取り上げるシーンもある。・・・
音楽 1 英国王のスピーチ

The Overture to La Nozze di Figaro(フィガロの結婚 序曲)

モーツァルト作曲の「フィガロの結婚」の序曲。ローグがアルバートにヘッドホンをして・・・聞かせ、自分の声が聞こえない状態で「ハムレット」を読ませる(0:26:55頃)。アルバートは「バカバカしい」と帰っていくが、朗読を録音したレコードを聞くと、自分がきちんと話せていることが分かり、アルバートはローグの治療を受けることにする。・・・
音楽 2 英国王のスピーチ

Who's Been Polishing The Sun?

「Who's Been Polishing The Sun?」は、1935年に発・・・表された、ノエル・ゲイが作曲した曲。アルバートが、自宅でソファに横になりながらレコードで聞いている(0:32:40頃)。・・・
音楽 3 英国王のスピーチ

Concerto for Clarinet in A Major: Allegro(クラリネット協奏曲)

モーツァルトが作曲したクラリネットと管弦楽の協奏曲。ローグによるアルバートへの訓・・・練の様子に合わせて流れる(0:36:10頃)。・・・
キーワード 1 英国王のスピーチ

吃音症

吃音症であるアルバートは、言葉がスムーズに出てこない。文章を読む時に顕著だが、興・・・奮状態や緊張状態になると、会話でも吃音となってしまう。そのため、公の場でのスピーチなどの緊張する場面が苦手で、映画の冒頭では、1925年に行われた大帝国博覧会の閉会のあいさつをうまく言えない。 多くの言語療法士の治療や訓練を受けるが、よく・・・
キーワード 2 英国王のスピーチ

イギリス国王、王室

イギリスは立憲君主制であり、映画がスタートする時点の国王はジョージ5世である。ロ・・・シアやイタリアなど王政を廃止する国が増えていたことから危機感を抱いていたジョージ5世は、国民に取り入る必要性を感じており、ラジオ放送などで国民に語りかけていた。長男のエドワードが王位継承権の第1位だったが、既婚女性との恋愛に溺れるエドワード・・・
キーワード 3 英国王のスピーチ

言語療法士、言語療法

吃音症を治すために、アルバートは言語療法士の治療を受けるが、よくならない。映画の・・・冒頭では、ビー玉を7個も口に入れて文章を読む訓練が描かれている。 アルバートの妻エリザベスは、言語療法士のライオネル・ローグに、アルバートの治療を依頼する。ローグは、筋肉の緊張をほぐすといった身体的な訓練(握った手を振ってアゴの筋肉をゆる・・・
作品一覧