登場人物・キャスト この世界の片隅に
北條すず(のん)
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北條すず(ほうじょう すず)は、広島の江波から呉に嫁入りする、映画「この世界の片隅に」の登場人物。旧姓は浦野。江波で海苔の養殖をしている両親の元に生まれる。兄の要一、妹のすみとともに育つ。自他ともに認める「ボーッとした」性格の持ち主だが、絵を描くのが得意。8歳の頃、町で「ばけもん」に誘拐されそうになった時に少年時代の周作と出会っていたが覚えていない。13歳の頃には、同じクラスの水原哲の代わりに課題の絵を描いてやる。
18歳の時に周作から縁談の話を持ちかけられて結婚。昭和19年に周作の実家のある呉に嫁ぐ。北條家では、周作の両親と、嫁ぎ先から娘の晴美を連れて戻ってきた径子と暮らす。径子とは最初そりが合わないが、晴美に慕われたこともあり、徐々に打ち解けていく。最初は広島に帰りたい気持ちを抱き、頭にハゲができる。戦争によって食糧事情が悪化する中、工夫を凝らしてやりくりするなど苦労を重ね、周囲から受け入れられていく。
周作のことを好きになり、軍艦に乗る水原が訪ねてきた時には、「連れていく」という水原の申し出を断る。また、気を利かせて水原とすずが一晩過ごせるようにした周作に対して怒りを見せる。空襲のあとに晴美と手をつないで歩いてる時に、時限爆弾によって晴美が爆死。手をつないでいた右手を失う。晴美のことで自分を責めるようになり、右手を失って家事が以前ほどできないこともあり、広島へ帰る決意をする。
8月6日に広島へ帰る予定だったが、径子から自分のいたい場所にいるように言われ、呉に残る決意をする。同日に広島へ原爆が落ち、広島の家族を心配する。8月15日に終戦の玉音放送を聞いた時には、これまでの苦労が無駄に終わったことに畑で号泣する。翌年、ようやく広島にいる妹を見舞いに行くものの、両親は亡くなっている。広島で周作と気持ちを確かめ合い、原爆で親を失った孤児の少女と出会う。少女を呉の家に連れて帰り、一緒に暮らし始める。
・左の頬の下にあるホクロがトレードマーク。髪は長い。原爆が落ちた広島にいる家族を探しに行きたいが「けが人はダメ」と言われた時に、「足手まといにはならない。髪を結う手間も省ける」と、衝動的に髪を切る。
・8歳の頃に、祖母の家で屋根裏から出てきた少女リンと出会い、リンのためにスイカと着物を置いていく。リンのことは座敷わらしと考える。その後、遊郭で道に迷った時に成長したリンから道を教えてもらう。幼い頃に会った少女と気づかないまま、リンのために食べ物の絵を描いてあげる。その後もリンのことは覚えており、原爆で遊郭がメチャクチャになったと聞いた時にはリンのことを思う。
・暴力的な兄のことは「鬼いちゃん」と恐れている。兄が亡くなったあと、広島に戻っても兄がいないことに安心している自分を「ゆがんでいる」と感じる。
・嫁ぎ先の住所を知らず、北條家の人々にあきれられる。またバケツをつけた天秤棒を近所の女性たちにぶつけてしまったりもする。軍艦の絵を描いているのを見た憲兵に間諜(スパイ)とにらまれた時には、北条家の人々に「スパイなわけがない」と爆笑される。
・真面目な性格で、嫁いだ翌日から水くみ、炊事、洗濯、隣組の活動を行う。学んだことはノートに絵つきで記録している。少女時代は裁縫が苦手だったが、着物をもんぺに仕立て直すなど、人並みにこなすようになっている。
・声はのんが担当している。
「この世界の片隅に」の関連項目
セリフ・名言 1
この世界の片隅に
0:00:30頃
「この世界の片隅に」の最初のセリフ。このあと、すずが海苔を町に・・・届けに行くために乗せてくれた船の船頭にも「ぼーっとしとらんで」と言われる。さらにすずはこのあと、家でも嫁ぎ先の北条家でもぼーっとしていると言われるのだった。
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セリフ・名言 2
この世界の片隅に
0:06:55頃
幼い頃のすずが、両親や兄妹と祖母の家を訪ねた時の言葉。すずは屋・・・根裏から出てきてスイカの皮を食べる少女の姿を目撃する。すずは実のあるスイカと着物を少女のために置いていくが、みんなから座敷わらしを見たと言われるのだった。
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セリフ・名言 3
この世界の片隅に
0:08:15頃
少女時代のすずは、夏の祖母の家で屋根裏から出てきてスイカの川を・・・かじる少女を見る。だがそのあと少女は現れなかった。帰り道でのすずの言葉。少女は座敷わらしではなかった。すずは、この時の出来事を忘れずに生きていくのだった。
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セリフ・名言 5
この世界の片隅に
0:14:55頃
18歳となったすずに、突如として縁談が舞い込んでくる。すずを嫁・・・にもらいたいという男性と父親が家に来る。祖母の家にいたすずは、急いで家に帰される。すずは降って湧いた話に戸惑いながらも流されていく。
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セリフ・名言 6
この世界の片隅に
0:16:10頃
すずを嫁にもらいたいという男性と父親が家に来る。18歳となった・・・すずに、突如として縁談が舞い込んで来たのだった。祖母の家から急いで家に帰ったすず。家に入る勇気がなく、外から訪れた男性を見るのだった。そのあと丘の上で着物を頭からかぶって悩むすずの言葉。
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セリフ・名言 7
この世界の片隅に
0:26:10頃
北條家に嫁いだすずは、義母となったサンから昔話を聞く。軍港とし・・・て栄える呉だったが、軍縮で軍艦が作れなくなった時には夫をはじめとした多くの人たちが失業して大変だった。だが、戦争の方が大ごとだった。
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セリフ・名言 8
この世界の片隅に
0:32:20頃
嫁いだ北條家の長女である径子が家に戻ってきたこともあり、広島に・・・里帰りしたすず。1歳下のすみと久しぶりにゆっくりと話をする。すみは女子挺身隊として軍需工場で働いていた。そんなすみとすずのやりとり。
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セリフ・名言 9
この世界の片隅に
0:34:05頃
呉の北條家に嫁いだすずが、実家のある広島に里帰りをする。呉に戻・・・る日、父親からもらった小遣いでノートを買ったすずは、広島県産業奨励館(のちの原爆ドーム)や町並みをスケッチする。スケッチしながらすずが語る言葉。広島への別れを口にするすずだったが、汽車がなくなってしまったために実家にもう一泊することになる。・・・
セリフ・名言 13
この世界の片隅に
0:50:45頃
丘の上から軍艦の絵を描いていたすずは、憲兵からスパイと疑われる・・・。ボーッとしたすずがスパイに疑われたことに、北条家の人々は大爆笑する。みんなが笑っていることを良かったと思うすずだったが、一方で笑えない自分もいた。
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セリフ・名言 14
この世界の片隅に
0:54:55頃
闇市に砂糖を買いに来たすずは、道に迷ってしまう。そこは遊郭だっ・・・た。電信柱の下にうずくまるすずに、遊女が声をかけてくれる。遊郭に初めて来たすずは、他とは違う雰囲気に困惑している。遊女はすずに道を教えてくれる。
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セリフ・名言 15
この世界の片隅に
0:59:30頃
周作から仕事場にノートを持ってくるように頼まれたすず。町に行く・・・ためにおしろいをしたすずに、周作は最初気づかない。ノートを持ってこさせたのは方便で、周作がすずを楽しませるために町に呼んだことがわかった時のすずの言葉。
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セリフ・名言 18
この世界の片隅に
1:06:40頃
呉の北條家に嫁いだすずを訪ねてきた幼なじみの水原。周作はすずと・・・水原が一緒に泊まれるように気を使う。すずを求める水原だったが、周作のことが好きになっていたすずは水原の求めを断る。そして、自分と水原を一緒に泊めた周作への怒りを口にするのだった。
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セリフ・名言 22
この世界の片隅に
1:09:10頃
兄の要一が戦死し、戦地から要一の遺骨の代わりに送られてきたのは・・・小さな石ころ1個だけだった。人間があっけなく死んでしまうことを知ったすずは、思っていることを伝える必要を感じ、周作に水原がやって来た時のことを話す。
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セリフ・名言 23
この世界の片隅に
1:09:15頃
兄の要一の戦死で人があっけなく死んでしまうことを知ったすずは、・・・周作に対して水原が来た時のことを話す。周作のことが好きになっていたすずは、自分と水原を一緒に泊まれるように気を使った周作に対して怒りを感じていた。
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セリフ・名言 24
この世界の片隅に
1:12:35頃
戦況はどんどん厳しくなり、軍港である呉への空襲も増えていく。あ・・・る日晴美と畑に出ていたすずは空襲にあう。命の危険にさらされた状況にも関わらず、すずは空にできた高射砲の着色弾が作る色を見て、絵のことを考えるのだった。
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セリフ・名言 26
この世界の片隅に
1:18:15頃
周作が3カ月に渡って軍事訓練に行くことが決まる。周作のことが好・・・きになっていたすずは、呉の家で周作を待つと語る。出発の前にすずは眠る周作の顔を絵に描く。出発の日にすずは、唇に紅を塗りほのかに化粧をして、軍服を着た周作を見送るのだった。
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セリフ・名言 27
この世界の片隅に
1:26:30頃
空襲でケガをして病院に入院した周作の父の円太郎を、晴美と見舞っ・・・たすず。病院からの帰り道で、空襲によって落とされた時限爆弾に巻き込まれてしまう。右手で手をつないでいた晴美は亡くなってしまい、すずも右手を失う。すずは、晴美が死んでしまったことで自分を責めるのだった。
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セリフ・名言 29
この世界の片隅に
1:32:40頃
空襲によって落とされた時限爆弾に巻き込まれてしまったすずと晴美・・・。晴美は亡くなり、すずは右手を失ってしまう。「無事でよかった」と語る周作の言葉を聞いたすずだったが、すずにはよかったとは思えなかった。そんなすずは、失った右手について考えを巡らせる。
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セリフ・名言 30
この世界の片隅に
1:38:55頃
晴美を死なせてしまい自らも右手を失ったすずは、落ち込んだままだ・・・った。空襲警報が鳴って逃げようとしたすずは、生まれ育った広島でよく見たサギを見つける。思わずサギを追いかけて戦闘機に撃たれそうになったすずは、周作に助けられる。すずは周作に、「広島に帰る!」と絶叫するのだった。
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セリフ・名言 32
この世界の片隅に
1:49:00頃
8月15日。終戦の玉音放送を聞いたすずが、畑に飛び出して号泣し・・・ながら叫ぶ言葉。苦しい生活を耐えてきたすずだったが、これまで信じてきたものが崩れ去ってしまう。このセリフは、原作では「他国に暴力を行使してきたことから自分たちも暴力に屈しなければいけないのか」という内容だったが変更されている。
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セリフ・名言 33
この世界の片隅に
1:50:05頃
戦争が終わる。信じてきたものが崩れ去ってしまい号泣したすずだっ・・・たが、時間は流れていく。義母のサンがしまっておいた米を研ぐすずや、うまく研げないために助ける径子や、食事の準備をする近所の人々の姿が描かれながら語られる言葉。
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セリフ・名言 35
この世界の片隅に
1:54:45頃
時限爆弾によって一緒に歩いていた晴美が亡くなり、自らも右手を失・・・ってしまったすず。自分を責め、落ち込んでいたすずだったが、戦争が終わって前向きな姿を見せる。話をする刈谷も、夫と息子を戦争で失っていた。
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セリフ・名言 36
この世界の片隅に
1:57:10頃
戦争が終わって少したち、すずは生まれ故郷である広島に向かう。原・・・爆で何もなくなってしまった広島の町を歩くすずは、何人かの人から声をかけられるが人違いだった。そんな状況についてすずが語る。リンがいた遊郭もメチャクチャになってしまっていた。
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セリフ・名言 37
この世界の片隅に
1:57:30頃
戦争が終わり、広島で妹のすみを見舞ったすずは、町で周作と会う。・・・すずが少女時代に周作と初めて会った相生橋で、川を眺めながら語る2人の会話。周作は幼い時に会っただけのすずを探して、自分の妻にしたのだった。
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その他の「この世界の片隅に」の登場人物・キャスト
人物 2
この世界の片隅に
俳優:細谷佳正
北條周作(ほうじょう しゅうさく)は、すずの夫である、映画「この世界の片隅に」の・・・登場人物。呉の丘の上に両親と住んでいる。仕事は、呉鎮守府の軍法会議録事(書記官)。少年時代に「ばけもん」によってすずと一緒に連れ去られそうになったことがある。すずのことをずっと覚えており、名前だけの情報から苦労してすずを探し求め、縁談を申し・・・
人物 3
この世界の片隅に
俳優:小野大輔
水原哲(みずはら てつ)は、すずの小学校時代の幼なじみである、映画「この世界の片・・・隅に」の登場人物。小学生の頃に兄を海軍の訓練で失い、両親が気力をなくしてしまったことから、自身も無気力となっている。学校の課題の風景画も描かずに丘の上から海を見ていたところをすずに見つかり、代わりにすずに白波をウサギに見立てた絵を描いてもら・・・
人物 4
この世界の片隅に
俳優:尾身美詞
黒村径子(くろむら みちこ)は、周作の姉である、映画「この世界の片隅に」の登場人・・・物。父の再就職祝いに時計を買いに行った黒村時計店の若旦那に恋し、やがて結婚。長男の久夫と長女の晴美をもうける。だが夫が亡くなってしまい、嫁ぎ先の両親と折り合いが悪くなり、しばしば実家に帰ってくる。すずが嫁入りしたあとにも戻ってきてしばらく滞・・・
人物 5
この世界の片隅に
俳優:稲葉菜月
黒村晴美(くろむら はるみ)は、径子の娘である、映画「この世界の片隅に」の登場人・・・物。5歳。径子に連れられて呉にやって来る。兄の久夫から教わったことから軍艦に詳しく、青葉が甲順であることや内火艇についてまで知っている。すずとはすぐに打ち解けて仲良くなり、巾着袋を作ってもらったりもする。すずの頭にハゲができた時にはスミを塗・・・
人物 6
この世界の片隅に
俳優:潘めぐみ
浦野すみ(うらの すみ)は、すずの1歳下の妹である、映画「この世界の片隅に」の登・・・場人物。小さい頃からすずと仲がいい。戦争中は女子挺身隊として軍需工場で働いており、食堂の食券をこっそりくれる美男子の将校のことが好き。嫁入り後に里帰りしたすずの頭にハゲができているのを見つけ、すずに教えてあげる。すずが右手を失ったあとに見舞・・・